Emacsでは変数や関数の使い方を書くための
ドキュメントとしてdocstringがありますね。
Emacs 25.1からはdocstring中のクオートが
勝手に全角に変換されるようになりました。
たとえば、
(defun test2 () "This is `test2'")
を定義して<f1> f (describe-function) して
docstringを表示させるとこのように表示されます。
Fig1: `〜' が全角で表示される
実はこれが悪さをしてしまうのです！
docstringの中にS式を書くときがあるのですが、
S式中のクオートも全角になってしまいます。
(defun test () "(setq foo '(1 2))")
当然、この状態でdocstring中のS式を
C-x C-eしたら当然エラーになります。
Fig2: Emacs 24.5では半角
Fig3: Emacs 25.1では全角
この問題に対処するには以下の設定を加えます。
(setq text-quoting-style 'straight)
Fig4: Emacs 25.1でも半角に！
まったく、余計なお世話な機能ですこと。
どう調べたか
僕はこれをhelp.elの機能かと思い、
コードを検索してみたのですが見付かりませんでした。
そこで<f1> nでNEWSを開き、
helm-swoop で「quot」を検索しました。
28個候補があった中で、
curveという単語が気になったので
コレだと思いました！
Fig5: helm-swoopでquot curvを検索
ドンピシャな情報が見付かりました。
,** New variable 'text-quoting-style' to control how Emacs translates quotes.
Set it to 'curve' for curved single quotes, to 'straight' for straight
apostrophes, and to 'grave' for grave accent and apostrophe. The
default value nil acts like 'curve' if curved single quotes are
displayable, and like 'grave' otherwise. The new variable affects
display of diagnostics and help, but not of info. As the variable is
not intended for casual use, it is not a user option.
けっこうな個数ヒットしますので、
Emacs 25.1からは積極的にcurved quote(全角クオート)が
使われているようです。
M-x electric-quote-mode
M-x electric-quote-modeなんてのも出てきています。
キーボードでクオートとバッククォートを入力したら
自動で全角になるグローバルマイナーモードです。
ローカルマイナーモードとして
M-x electric-quote-local-modeも用意されています。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。参考になれば嬉しいです。
